役以外で、プライベートではわたしだけってそれだけでもすごいことなのに、うれしいのに、颯くんの全てをわたしのものにしたくなってる。
颯くんのことがすきだと思い知らされる。
「……覚悟して見ます」
「じゃあ、役じゃない空野颯として、ゆきちゃんにたっぷりキスします」
「ふ……んっ……」
ちょっぴりしょぼくれていたけど、すぐにまた颯くんのことしか考えられなくなる。
ここまでしてくれるのだって、普通のファンじゃありえない。
特別だよね。
夢みたいなことなんだ。
夢中で颯くんを受け入れる。
いまだけは、ひとりじめだ。
唇を離すとペロッと舌で自分の唇を舐める。
その仕草が色っぽくてドキドキが止まらない。
「会えない日が続いてゆきちゃんには寂しい思いをさせるかもしれないけど、またこうしてたくさんゆきちゃんに触れさせてね」
「はい」
秘密にしなければいけないけど、堂々とはできないけど、それでも幸せは十分にある。
颯くんがいるだけで幸せに思えるよ。



