「海成くんに言われたことはできないですけど、わたしも空野さんのこと大切なのでわたしなりに守っていきます」

「ゆきちゃん……!」



一緒にいたいから、一緒にいるために考える。

空野さんのことを守っていく。




「そうか。応援してる」


言いながらまた空野さんの隣の椅子に座り、ミックスジュースを飲んだ。



「あ、ありがとうございます……!」



ちょっと、驚いた。

あっさりとそう言ってくれるなんて。


空野さんに言われて謝りに来てくれたってこともあるのかもしれないけど。



「でも!絶対にバレんなよ。隠し通せよ。アイドルと付き合うってそういうことだからな」

「はい、もちろんです」



隠す覚悟はもうした。

だれにも言えないのも、堂々と会えないのも寂しいけど、それでも空野さんと一緒にいると決めたから。




「雪乃と付き合ってから、颯が絶好調だしまぁ良しとする」

「上からすぎ。そんで、呼び捨てやめろって」

「別にいいよな、雪乃?」

「え、はい。それは全然大丈夫ですけど」

「ゆきちゃん……」