もう戻れない。

自分の気持ちにうそはつけないから。
空野さんだけに背負わせるなんてことをしたくない。


これからも空野さんと、一緒にいたいから。




「ゆきちゃん、ありがとう。すごくうれしい」

「いえ。わたしこそ、たくさんごめんなさい」

「もういいよ。ゆきちゃんの気持ちが聞けて付き合えたことがうれしいから」



本当にうれしそうな顔をするから照れてしまう。

恥ずかしくなって両手で顔を隠す。



「そういえば今日はどうして……」


さっきは答えてもらえなかった質問をもう一度する。

やっぱり気になってしまう。



「ゆきちゃんの晴れ姿を見たくて、スケジュール調整したんだ。まだ時間あるし、学校案内してよ」

「え?でも……」

「文化祭、参加してみたかったんだ」

「わかりました」



空野さんがあまりにも目を輝かせるから、承諾するしかなかった。

文化祭だからいろんな格好をしていて、一般のお客さんも入れているから空野さんがいてもきっと気づかれにくい。


だって、こんな場所にいるなんて思わないもん。