「教えてよ、雪乃」
……ずるい。
空野さんはずるいよ。
ずるすぎる。
いつもはニコニコと子犬みたいなかわいい笑顔なのに、こういうときはすごく真剣な顔をする。
呼び捨てもずるい。
「……………すき、です」
「うん」
「空野さんのことが、だいすきです……ひゃっ」
言い終わると同時に正面から抱き締められた。
空野さんの胸板に顔をぶつけ、そのまま密着する。
「おれも!ゆきちゃんが大好き!!」
もう一度、伝えてくれる空野さんの言葉はあまりにも真っ直ぐで眩しくて胸がくるしくなる。
じわっと涙が浮かび、空野さんの服をぎゅっと握りしめる。
隠すことなんてできない。
この気持ちを止めることなんてできない。
諦めることなんて、できない。
こんなにも、空野さんのことが好きだから。
「ゆきちゃん、泣かないで……」
困ったような声を出して、戸惑うようにわたしの頭を撫でる。
空野さんに触れられると心地いい。
安心できる。



