超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。





わたしの勢いに一瞬驚いた様子の花音ちゃんだけど、いますぐ黒瀬くんにちゃんと謝らなきゃ。


あたりをキョロキョロして黒瀬くんを探す。


黒瀬くんどこだろう?

いちおうステージ発表のクラスは体育館横の剣道場と柔道場が男子と女子の更衣室兼控室となっている。


まだ近くにいると思うんだけど……。




「……白川」


後ろから声をかけられて勢いよく振り返る。

そこにはいつも通りだけど、少し視線を逸らす制服姿の黒瀬くん。



「黒瀬くん……ちょっといいかな?」

「うん」



頷いた黒瀬くんとそのまま体育館裏に向かう。

文化祭で学校全体が賑やかだけど、体育館裏は使わないからだれもいない。


遠くでにぎやかな声が聞こえるくらい。




「あの……さっきは本当にごめんなさい!!」



深く頭を下げる。
いやだったよね。

普通はいやだよね。


唇ではなかったもののクラスメイトにキスなんてさ……。


申し訳なさすぎて頭を上げられない。