「あなただったのですね。名前は?」
「シンデレラ」
「シンデレラ、私と結婚していただけますか?」
「っ……喜んで」
シンデレラの希望のシーン。
そして最後はガラスの靴を履き、綺麗なドレスを身にまとう。
王子様との結婚式。
新しく追加されたシーンだ。
「シンデレラ、きみを必ず幸せにするよ」
「はい」
王子様と見つめあい、甘いキスを交わしてハッピーエンドで終わる。
黒瀬くんがわたしの頬に優しく手を添え、顔を少し傾けゆっくり近づける。
みんなに祝福されながら幸せなキス。
目を閉じる瞬間、黒瀬くんの後ろに見慣れた黒いキャップを深くかぶる人が見えた。
驚いてもう一度目を開けそうになったけど、ありえないことだとすぐに思いそのまま目を閉じた。
息がかかるほど近い距離で止まる。
恥ずかしくて目を開けることはできない。
体育館が拍手に包まれる。
幕が閉まる。
「っと……」
「え……」



