超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。





「あの……」

「名前、聞いてるんだけど」


思わず警戒してすぐに答えることはできなかった。
それなのに、少し威圧的にもう一度聞かれる。


深く帽子をかぶっていて、まだマスクをしているから顔は見えない。

ふと顔を上げたおかげで、帽子とマスクの隙間から少しだけ覗いた瞳は鋭くわたしをとらえていた。



まるで蛇に睨まれた蛙。


一歩も動けない。



「……何度も言わせないでくれる?」

「あ、えっと……し、白川雪乃……です」

「雪乃、ねぇ。だから“ゆきちゃん”か」

「え……?」



それってどうゆう意味なんだろうか。

驚いて少し目を見開いた。
目の乾きを感じてからすぐに瞬きをする。



「あの、あなたは……」

「あんま大きい声出さないで」

「す、すみません……」



怖いよ……どうしてこんなに威圧的なんだろう。

わたし、なにかしたかな?


なんて考えたところで思い当たることなんてあるわけがない。

今日初めて見るお客様なんだから。




「これ、あんたが作った?」

「え……これ、空野さんにあげた……あれ?」