超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




次の日からの練習では演技もワルツも良くなったって褒めてもらえた。

空野さんのおかげだ。


黒瀬くんも驚いていて「どうしたの?」なんて真顔で聞いてきたから「がんばった」とだけ答えておいた。

それから劇の練習はすごく順調に進んだ。



「空野さんのおかげです。ありがとうございます」

「どういたしまして」



文化祭も今週末に迫っている。

空野さんが少し時間ができたってカフェに顔を出してくれた。
時間ができるとこうして少しでも来てくれるのはすごくうれしい。


あれ以来、なんだか顔を真っ直ぐ見るのが恥ずかしいけど、空野さんはいつも通りだ。

今日も他愛ない話をしてると、すぐに時間は過ぎてしまう。

楽しい時間は一瞬だ。



「おれ、もう行かなきゃ。また来るね」

「はい。待ってます」


空野さんを見送ってから、残っていたお客様も席を立ち会計を済ませる。
最後のお客様をお見送りをしてから、片づけをしようと食器を持ったときにドアベルが鳴る。




「いらっしゃいませ。何名様ですか?」