「いくよ。右足からね」
空野さんの息が耳にかかり、ますます動かない。
緊張してるのがわかる。
体が硬くなる。
いつもはこんなにドキドキしないのに……。
「せーの」
合図をしてくれて踊り始めるけど、足がもつれてしまう。
それでも、空野さんがリードしてくれたおかげでだんだんと踊れる。
すごく、踊りやすい。
ステップとか位置とか意識しなくても、空野さんが押したり引いたりと絶妙な力加減でリードする。
ふたつめは見本にはならないから、はじめの一回しか動画も見ていないのに。すごすぎる。
繰り返しとはいえ、見ただけで踊れてしまうなんて。
顔を上げると空野さんがにこっと微笑んでくれて、その笑顔にドキッとしたけど緊張がとける。
いつもは踊れないのに、こんなに踊りやすいとだんだん楽しくなってきた。
気がつけば自然と踊れていた。
腰に手を回されて密着した体。いつのまにか指を絡められていた手。
ドキドキする。
全身が熱い。
でも、すごく楽しい。



