あれから数か月。
猟豹の起こし方にも慣れた朱鷺は泣く事も減って行った。
「起きて~!」
「うるせ~…」
朝から布団の引っ張りあい。
「まだ寝てるのか」
「飛翔お兄ちゃん!」
「おはよう朱鷺」
「おはよう!」
「俺の事は放っておいてくれ…」
「ったく…男が出てるぞ猟豹」
猟豹からの返答が返って来なかった。
飛翔は溜息を付いた。
「朱鷺。悪いが新聞を取ってきてくれるか?」
「分かった!」
玄関で下駄を履いて外に出た朱鷺。
外にはフードを深く被った全身黒づくめの男の子人が立っていた。
「あの…」
朱鷺が声を掛けると男はニタァと笑い次の瞬間消えた。
「良いものみっけ。」
気が付くと男は朱鷺の後ろに立っていた。
朱鷺が後ろを向こうとするとハンカチを宛がわれた。
「ちょっとの間、眠っててね」
朱鷺は疑問をぶつける前に意識を飛ばした。
一方、屋敷の中では猟豹が、やっと目を覚ましていた。
「…あら?朱鷺は?」
「新聞を取りに行ってもらってる。にしても遅いな」
「俺、見てくる…」
「狼火ありがとうな」
外に出た狼火は朱鷺が居ない事に気が付いた。
「新聞はそのまま…あれ…朱鷺の靴…?」
狼火の頭の中には最悪なシチュエーションしか思いつかなかった。
家の中に戻った狼火は、ありのままに報告をした。
「最近、組を恨んでいる奴もいると聞く…朱鷺は俺らにとって弱点だ。そこを狙われたな。」
「朱鷺…!」
「どうするの?組長」
「乗り込むぞ。場所は分からないのか」
「分からない…」
「飛翔。」
「お調べします」
持っていた茶碗を置いてタブレットを出す飛翔。
「これ…朱鷺じゃない?」
先にタブレットを出していた猟豹が見つけた。
目隠しはされて居るが服装で朱鷺と分かる。
「何…公開処刑!?」
「最低ね…」
「場所を特定してくれ!」
「おっけ~!」
場所は、今は使われていない倉庫だった。
「急いで向かうぞ」
「はい!狼火と李矩は家で待っててくれ。留守中に狙われる可能性もある。」
「了解っす!」
「分かった…!」
3人で倉庫に向かうと朱鷺は倒れていた。
「朱鷺!」
「…あれ。もう来ちゃったの?」
黒づくめの男は、ゆっくり振り返った。
「てめぇ!朱鷺を返しやがれ!」
「条件に答えてくれるなら返すよ。僕だって命は惜しいからね」
「どんな条件だ。」
「君たちの組長の首が欲しい。それだけさ」
すると組長の頭が吹っ飛んだ。
「組長!」
「あんた…何者よ!」
「普通の人間さ。さて、僕は帰るよ。そこの子の命は取ってないから安心して?
ちょっと気絶してるだけだから」
「待ちやがれ!」
「…相手も本気みたいね」
外から続々と人が入ってくる。
「チッ。さっさと片付けんぞ!」
「おっけ~!」
二人が暴れに暴れまくってようやっと片付いた。
すると朱鷺も目を覚ましたようで猟豹の名前を叫んだ。
「朱鷺!もうあたしが居るから大丈夫よ」
静かになった朱鷺。
「すぐに帰りましょ。目隠しは、そのままでね。ちょ~っと散らかってるから」
周りは血痕だらけで、とても朱鷺に見せられるものでは無かった。
「やだ!外して!猟豹お姉ちゃん!」
「ダメ。ここを出るまでは我慢して?」
朱鷺の縄を外して抱っこで倉庫を出る猟豹と組長を抱えた兎田。
「車を他に寄こすから待っていてくれ」
「分かったわ」
倉庫を出てようやっと目隠しを外された朱鷺は回している腕に力を込めた。
「怖かったわね。もう大丈夫よ。あたしが居るからね」
「うん…」
「…今度から、あたしの行動しましょうか。夜遊びもしない。良い?」
「うん…」
「良かった。嫌って言われたらどうしようかと思ったわ」
「嫌なんて言わないよ…」
「ふふwそれは嬉しいわ」
少しすると車を運転している狼火と会った
「お帰り…朱鷺…」
「ただいま狼火お兄ちゃん…」
振り向き小さく手を振る朱鷺。
車に乗り込むと屋敷の中では葬儀が行われていた。
猟豹は朱鷺を抱えたまま自分の部屋に向かっていた。
「どうして皆、暗いの?」
「…組長がね…亡くなったのよ…」
「そんな…」
「…あたし達の力不足でね…」
朱鷺は、この時おじさんに言われた事を思い出していた。
『良いか朱鷺。俺にもしもの事があれば皆を元気付けて欲しい。』
『もしもって?』
『いずれ分かる。この世界は、もしもの事が起きやすい。
今のうちに言っておかないとな。朱鷺。お前は将来、皆を引っ張っていく立場になるだろう。
その時は優しい心を忘れずに。良いな』
『分かったよおじさん!』
「…私も行く…」
「…顔は見れないけど行ってみる?」
「うん…」
下に降りると猟豹の隣に朱鷺は座った。
少しお経を聞いた後おじさんを見送った朱鷺。
「急に行きたいってどうしたの?」
「…最後だって分かったらどうしても会いたくて…」
「そうだったのね」
「うん…」
その日の朱鷺の夢の中でおじさんが出てきた
『おじさん!』
『朱鷺。前に言った約束守れるか?』
『勿論!』
『ちゃんと手伝いもするんだぞ?』
『うん!』
『なら良い。頑張るんだぞ』
『おじさん…!行かないで!』
朱鷺が、おじさんに抱き着くとおじさんは光と共に消えた。
だが、不思議と悲しく元気が出てきた朱鷺だった。
猟豹の起こし方にも慣れた朱鷺は泣く事も減って行った。
「起きて~!」
「うるせ~…」
朝から布団の引っ張りあい。
「まだ寝てるのか」
「飛翔お兄ちゃん!」
「おはよう朱鷺」
「おはよう!」
「俺の事は放っておいてくれ…」
「ったく…男が出てるぞ猟豹」
猟豹からの返答が返って来なかった。
飛翔は溜息を付いた。
「朱鷺。悪いが新聞を取ってきてくれるか?」
「分かった!」
玄関で下駄を履いて外に出た朱鷺。
外にはフードを深く被った全身黒づくめの男の子人が立っていた。
「あの…」
朱鷺が声を掛けると男はニタァと笑い次の瞬間消えた。
「良いものみっけ。」
気が付くと男は朱鷺の後ろに立っていた。
朱鷺が後ろを向こうとするとハンカチを宛がわれた。
「ちょっとの間、眠っててね」
朱鷺は疑問をぶつける前に意識を飛ばした。
一方、屋敷の中では猟豹が、やっと目を覚ましていた。
「…あら?朱鷺は?」
「新聞を取りに行ってもらってる。にしても遅いな」
「俺、見てくる…」
「狼火ありがとうな」
外に出た狼火は朱鷺が居ない事に気が付いた。
「新聞はそのまま…あれ…朱鷺の靴…?」
狼火の頭の中には最悪なシチュエーションしか思いつかなかった。
家の中に戻った狼火は、ありのままに報告をした。
「最近、組を恨んでいる奴もいると聞く…朱鷺は俺らにとって弱点だ。そこを狙われたな。」
「朱鷺…!」
「どうするの?組長」
「乗り込むぞ。場所は分からないのか」
「分からない…」
「飛翔。」
「お調べします」
持っていた茶碗を置いてタブレットを出す飛翔。
「これ…朱鷺じゃない?」
先にタブレットを出していた猟豹が見つけた。
目隠しはされて居るが服装で朱鷺と分かる。
「何…公開処刑!?」
「最低ね…」
「場所を特定してくれ!」
「おっけ~!」
場所は、今は使われていない倉庫だった。
「急いで向かうぞ」
「はい!狼火と李矩は家で待っててくれ。留守中に狙われる可能性もある。」
「了解っす!」
「分かった…!」
3人で倉庫に向かうと朱鷺は倒れていた。
「朱鷺!」
「…あれ。もう来ちゃったの?」
黒づくめの男は、ゆっくり振り返った。
「てめぇ!朱鷺を返しやがれ!」
「条件に答えてくれるなら返すよ。僕だって命は惜しいからね」
「どんな条件だ。」
「君たちの組長の首が欲しい。それだけさ」
すると組長の頭が吹っ飛んだ。
「組長!」
「あんた…何者よ!」
「普通の人間さ。さて、僕は帰るよ。そこの子の命は取ってないから安心して?
ちょっと気絶してるだけだから」
「待ちやがれ!」
「…相手も本気みたいね」
外から続々と人が入ってくる。
「チッ。さっさと片付けんぞ!」
「おっけ~!」
二人が暴れに暴れまくってようやっと片付いた。
すると朱鷺も目を覚ましたようで猟豹の名前を叫んだ。
「朱鷺!もうあたしが居るから大丈夫よ」
静かになった朱鷺。
「すぐに帰りましょ。目隠しは、そのままでね。ちょ~っと散らかってるから」
周りは血痕だらけで、とても朱鷺に見せられるものでは無かった。
「やだ!外して!猟豹お姉ちゃん!」
「ダメ。ここを出るまでは我慢して?」
朱鷺の縄を外して抱っこで倉庫を出る猟豹と組長を抱えた兎田。
「車を他に寄こすから待っていてくれ」
「分かったわ」
倉庫を出てようやっと目隠しを外された朱鷺は回している腕に力を込めた。
「怖かったわね。もう大丈夫よ。あたしが居るからね」
「うん…」
「…今度から、あたしの行動しましょうか。夜遊びもしない。良い?」
「うん…」
「良かった。嫌って言われたらどうしようかと思ったわ」
「嫌なんて言わないよ…」
「ふふwそれは嬉しいわ」
少しすると車を運転している狼火と会った
「お帰り…朱鷺…」
「ただいま狼火お兄ちゃん…」
振り向き小さく手を振る朱鷺。
車に乗り込むと屋敷の中では葬儀が行われていた。
猟豹は朱鷺を抱えたまま自分の部屋に向かっていた。
「どうして皆、暗いの?」
「…組長がね…亡くなったのよ…」
「そんな…」
「…あたし達の力不足でね…」
朱鷺は、この時おじさんに言われた事を思い出していた。
『良いか朱鷺。俺にもしもの事があれば皆を元気付けて欲しい。』
『もしもって?』
『いずれ分かる。この世界は、もしもの事が起きやすい。
今のうちに言っておかないとな。朱鷺。お前は将来、皆を引っ張っていく立場になるだろう。
その時は優しい心を忘れずに。良いな』
『分かったよおじさん!』
「…私も行く…」
「…顔は見れないけど行ってみる?」
「うん…」
下に降りると猟豹の隣に朱鷺は座った。
少しお経を聞いた後おじさんを見送った朱鷺。
「急に行きたいってどうしたの?」
「…最後だって分かったらどうしても会いたくて…」
「そうだったのね」
「うん…」
その日の朱鷺の夢の中でおじさんが出てきた
『おじさん!』
『朱鷺。前に言った約束守れるか?』
『勿論!』
『ちゃんと手伝いもするんだぞ?』
『うん!』
『なら良い。頑張るんだぞ』
『おじさん…!行かないで!』
朱鷺が、おじさんに抱き着くとおじさんは光と共に消えた。
だが、不思議と悲しく元気が出てきた朱鷺だった。
