ここから遠くに逃げよう…。
あたしは無我夢中で走った。
どれだけ走ったか分からない。
どこにいるのかも分からない。
「はぁ…はぁ…」
携帯の時刻は3時をさしていた。
ここまでくれば…きっと大丈夫。
あたしは建物の駐車場に隠れた。
車の陰だし…
第一こんなところ誰にも気づかれない。
落ち着いたら警察に行こう。
そう思った瞬間…
少し心のもやがとれた気がした。
けど、目の前に現れた車。
…松田の車。
あたしは体を小さくして隠れた。
なんで?なんでこんなに早く…。
隙間から覗いてみる。
車からSPが出てきた。
きょろきょろと探したりせず
まっすぐあたしの方にやってきた。
なんで?



