それからずっとその部屋が
気になっていた。
でも、あの時の松田の顔を思い出すと
怖くて入ることは出来ずにいた。
そんな中月日は流れ、
松田に引き取られて5ヶ月。
季節が秋から冬に変わる11月。
「じゃあね愛莉、また明日」
「ばいばい」
友達と別れて家までの道のりを歩く。
「おかえりなさいませ、愛莉さま」
家につき、玄関を開けると
いつものようにメイドとSPのお出迎え。
「愛莉さま、也須さまがお呼びです」
あたしのコートとかばんを受け取りながら
そう言ったのは、
松田の一番お気に入りのSPさん。
「分かった。どこに…」
そう聞こうとすると、
「愛莉、お帰り」
松田がリビングの方から出てきた。
「ただいま。呼んでるって聞いたけど」
「こっちへおいで」
そう言いながら松田は歩きはじめた。



