「あっ!愛莉ちゃん!」
あたしは急いで音のする方に走った。
着いた場所は…あの男の部屋。
窓ガラスが割れてる。
園長先生が必死に止めようとしてるけど
それを振りほどいて近くのいすを
振り回している男。
ガッシャーン!!
「園長先生!危ないよ!」
あたしは園長先生をその男から
引き離した。
いかれてる…。
いすを振り回して部屋がぐちゃぐちゃ。
あたしは園長先生を部屋の外に
残して男に近づく。
「あ、愛莉ちゃん!危ないから」
「福井…丈」
動きを止めてあたしの方を睨む男。
「…なんだよ」
ぞくっ。
どこから出てるのか分からないぐらいの
低くて冷たい声。
「…やめなよ、迷惑」



