サングラスをケースにおさめながら
歌音ちゃんを見下ろして香奈さんは
そう言う。
「ひかるが弱いだけだもんっ」
はぶてた歌音ちゃんはスタジオのドアを
開けて中に入っていった。
けどすぐドアを開け、
「ほらっ!!ひかる置いてくよっ」
と、ひかるくんに手を伸ばす。
「待っでよぉ~っ」
泣きながらも歌音ちゃんに
ついていったひかるくん。
「まったく…仲が良いんだか悪いんだか」
腕を組んで呆れる香奈さん。
「まぁ、喧嘩するほど仲が良いって
言いますから」
あたしは眉間にしわをよせる香奈さんに
笑いながらそう言った。
10才の歌音ちゃんと8才のひかるくんは
親同士が仲良いからよく一緒にいる。
歌音ちゃんの方が完全に強いんだけどね。
「香奈さんは今日仕事ですか?」
スタジオに続く廊下を歩きながら聞いた。
Sevenを卒業してもスタイリストなど、
何らかの形でSevenに関わっている
あたしと違い、Sevenより年齢層の
高い雑誌に移動した香奈さんが
Sevenのスタジオに来ることはまず無い。



