「光輝から…雪ちゃんに」
「…え?」
「さっきの電話、
ジュエリーショップからだったの。
在庫が切れてて取り寄せたみたい…
きっと今日だったのね、入荷したの」
箱を持ったまま立っているあたしを
イスに座らせた香奈さん。
「光輝は倒れる前に、この指輪を買った」
「倒れる…前…?」
「光輝が倒れたのジュエリーショップの
前なの。あたしと話している時に突然」
「なんで…指輪なんか…」
「ホワイトデーに渡すつもりだったの。
そして結婚の予約をするつもりだった」
「…結婚の予約?」
「まぁ…予約っていうか、婚約?
光輝、最近仕事頑張ってたでしょ?」
「はい…」
「雪ちゃんと結婚するために
頑張ってたんだって…。
たくさん働いて、貯金して…結婚してから
雪ちゃんに苦労かけないように」
香奈さんは光輝の手を使って指輪を
掴み、あたしの左手の薬指にはめた。
「プロポーズするって言ってた…
きっと…貯金が貯まったらするつもり
だったのよ」
プロポーズ…あたしに…?



