Seven...YUKI



渡部さんの声でシャッター音は止まり、
あたしもポーズをとるのをやめた。



「雪ちゃんもういいよ」



「え…」



「次の子準備してっ」



あたしにかまわず、次の撮影の準備に
変わっていくスタジオ。



「あの、渡部さん…」



「今日はもういいから。帰りなさい」



何も言い返させない渡部さんの目に、
あたしは言葉を飲み込んだ。



撮影の準備に追われるスタジオを出て、
楽屋へ向かう。



スタジオに向かうモデルやスタッフの
波に逆らって。



「…っ…」



誰もいなくなった楽屋で鏡に向かって
乱暴な手つきでメイクを落とした。



「あ~あ…そんな乱暴にしちゃ肌が
傷つくでしょ?」



背後から伸びてきた手があたしの手から
メイク落としのシートを取り上げる。



鏡を見ると後ろに立っていた瞳さん。



「ほらっ、あたしがやってあげるから」



そう言い、慣れた手つきでメイクを
落としていく。