撮影が終わり、ちょうどお昼だから
休憩をとることになったあたしが
楽屋に戻ると光輝の姿。
最近、忙しい光輝はいつもパン片手に
撮影や仕事をしている。
その光輝がお昼の休憩に楽屋に
いるなんて珍しい。
「光輝も今からお昼?」
カメラを片付けていた光輝に後ろから
声をかけた。
「え?あ、雪」
振り向いてあたしを見た瞬間
笑顔でそう言う光輝。
「一緒にお昼食べようよ」
「…悪い、ちょっと今から用事があって
出ないといけないんだ」
「じゃあお昼は?」
「帰ってきて仕事しながら食べる」
「またぁ?体壊すよ?」
「心配してくれるのはありがたいけど、
今の仕事が終わるまでは頑張らないと」
そう言って荷物を持った光輝は、
「じゃあまた後でな」
あたしに笑顔を向けて楽屋から
出て行った。
そんな光輝の後姿を何気なく見送る。



