「何がですかっ」
「何か怒ってない?眉間にしわよってる」
「怒ってませんっ」
言葉とはうらはらに全身で怒りを
表しているあたしはイライラしながら
鏡の前に座った。
光輝のバカ。
最近仕事仕事って言って全然休まないから
頭痛なんてするんだよ。
せっかく心配してあげてるのに
なんか有耶無耶にしてるし…。
もう知らないっ。
「…怒ると可愛い顔が台無し」
腕を組んで鏡にうつる自分を睨んでいた
あたしの耳元でぼそっとそう言った
滝さん。
「今から撮影なんだから笑わないと」
「はい…」
にこっと笑う滝さんにあたしは苦笑い
しか返せなかった。
結局仕事優先で病院に行かなかった光輝。
おさまるどころか前より悪化している
光輝の頭痛。
そんな中月日は流れ3月に入ったある日。



