けど、それを教えてくれたのは光輝。
宮家に残るよう言ってくれたのは光輝
だった。
そんな光輝と離れて暮らしていると、
今までの感覚とちょっと違うんだ。
今までは一緒に暮らしていたから電話や
メールをあまりしたことが無かった
あたし達。
でも今は会えない日にはメールをして、
毎晩電話をしている。
最初の頃は淋しかった。
当たり前のように横に寝ていた光輝が、
電話を切ってしまうと今はいない。
すぐに声が聞きたくなって、
すぐに会いたくなる。
けど…慣れてくるとだんだん新鮮な
気持ちになっていく。
普通の恋人はこんな気分なんだなって
思うから。
メールと普段の光輝の印象が違ったり、
住んでた家に「おじゃまします」って
言ったり。
離れて暮らすことで今までとは違う
《好き》の感情が生まれてくる。
その感じが幸せなんだ。
きっと…これからもこんな幸せが
ずっと続いていく。
…そう思ってた。
この幸せが無くなることなんて
想像もしてなかったし、したくもない。



