そう言いながら周りを見渡して
誰もいないのを確認したあたしは、
光輝にキスした。
自分からキスしたことはあるものの、
いざするとなるとやっぱり恥ずかしくて
変な緊張の中ゆっくり唇を離すと
目の前には固まっている光輝。
「…な、何?今の…」
目をまん丸にしてそう言ってきた。
「チョコの…かわり…」
「チョコ?」
「今日バレンタインでしょ?
…でもあたし忘れてて用意してなかった
からかわりに…」
「バレンタイン…」
首をひねって考えこんだ光輝は、
「…あっ」
そうこぼすとなぜか納得した表情。
もしかして…光輝も忘れてた?
そう思うあたしにさっきとは違い
呆れた表情で、
「香奈さんに仕込まれた?」
そう聞いてきた。
「え?何で…」
「雪が自分でこんなことするなんて
思えないし…そうなったら香奈さんしか
いないじゃん?こんなこと考えるの」



