お父さんがそう言うとうつむいていた
高嶋は顔を天井に向けた。
「別にいーよ、もう」
「…高嶋?」
「正直さ…俺も宮さんと同じだよ。
山村が宮さんのとこに通うようになって
からだんだん諦めていってた」
そう言いながら顔をあたしたちに向ける。
「そして、さっき諦めがついたよ」
あまりにも淡々と話す高嶋にあたしたちは
疑問の顔。
「さっき…宮さんのことで不安になってた
愛莉のこと…俺は安心させてやることが
出来なかった。
山村は簡単に出来たのに…」
悲しそうに笑う高嶋。
「それで諦めがついたんだ…
俺は愛莉の特別な存在にはなれない。
山村を超えることは絶対に出来ない」
「高嶋…」
「だからもういいんだよ…これ以上愛莉を
傷付けるのは俺だって嫌だ。
じゃあな…宮さんお大事に」
高嶋はそう言うと走って病室から
出て行った。
「高嶋!!」
あたしが呼び止めても足を止めない。
「…2人ももう行きなさい。
仕事に戻らないといけないだろ?」
高嶋が出ていった病室の出入り口を
見つめていたあたしたちに
お父さんはつぶやく。



