廊下に響いた声。



声のする方を見るとこっちに向かって
走ってくる高嶋。



「あの…話は聞きました。
宮さんの様子は?」



「まだお医者さんが見てるとこ」



「そう…ですか…」



滝さんから説明され、
そう言った高嶋は泣いてるあたしを見た。



そして香奈さんの腕の中からあたしを
自分の方にひきよせた。



「愛莉…泣くな…」



息をきらしながらあたしの頭を撫でる。



「泣くな…泣くなよ…」



…そんなこと…言われたって。



あたしを安心させようとしてるのか
必死にあやす高嶋とはよそに
どんどん涙が溢れるあたし。



だって…だって…不安で仕方がない…。



涙が止まらないんだもん…。



「あ…光輝…」



高嶋の腕の中でうつむき泣いてた
あたしは香奈さんのその言葉で
顔をあげた。



こっちに走ってくる光輝を見つけた瞬間、
あたしは高嶋の腕の中から抜け出し
光輝の胸に飛び込んだ。