「今日の仕事はこれで終わり。
着替えたらもう帰っていいわよ」
楽屋に向かいながらそう言う田所さんは
スケジュール帳を閉じた。
「迎え呼んでおこうか?」
「あ、それぐらい自分でやりますから
田所さんは帰ってください。
まだスタジオは撮影残ってるから
1人になることは無いですし」
「そう?じゃあお言葉に甘えて」
あたしや周りのスタッフさんに
あいさつをした田所さんは
帰っていった。
最近彼氏が出来たばかりの田所さんは
前から今日を楽しみにしてたのを
あたしは知ってる。
早く帰らせてあげないとね。
「雪ちゃん早く着替えろー」
楽屋の方から聞こえる滝さんの声。
「あっ、はい!」
あたしは楽屋に急ぐために走ろうと
した時、
「ちょっと来て」
いきなり腕を掴まれたと思ったら
耳元で言われた言葉。
振り返ると、そこには怖い顔をした
光輝がいた。
「え?」
「ちょっと宮さん借ります」



