けど、耳元にはっきり聞こえた
車のブレーキ音とかすかに見える
景色に頭は真っ白になった。
止まってる車の前に血だらけで
倒れてる丈がいる。
「丈…」
ねぇ…。
「丈?」
ねぇってば!
「丈!!!」
あたしは猫を抱えたまま
丈の側に駆け寄った。
「丈!丈!ねぇ!起きてよ!」
「……何…泣いて…んだよ」
「丈…死なないで…」
やだよ…死んじゃやだ…。
「うっ…」
「…丈?」
荒い息づかいの丈はうつ伏せていた
体を仰向けにしてあたしを見つめた。
「はぁ…はぁ…あ…いり…」
「丈?あたしはここだよ?」
「あ…いり…」
血だらけの震える手がゆっくりあたしの
頬に触れる。



