あたしと丈が見つめる先には
狭い道路の曲がり角からふらふらと
怪我をした猫が歩いてる。
歩くのが精一杯な猫の方に
遠くから車が走ってきてる。
このままじゃひかれちゃう。
「ちょっと持ってて!」
「えっ?おい愛莉っ」
あたしは丈にかばんを預けて
猫の元にかけよった。
「大丈夫?かわいそうに…」
あたしは猫を抱き上げた。
「そろそろ車来るから戻って来い!」
「うんっ」
遠くの方に見える車は
だんだん近づいてた。
でも、歩いても余裕なぐらいの距離。
ほんとに心配性だなぁ。
…これが命とりだった。
猫を撫でながら戻ろうと立ち上がった時、
猫が曲がってきた角から車がいきなり
出てきたんだ。
いきなりのことにあたしは足が
すくんで動けない。
「愛莉!!!」
丈の叫び声と同時にあたしの体は
誰かに引っ張られ、倒れこんだ先に
あった自転車に思いっきりぶつかった。
キキィ!!!!
猫を抱えたまま倒れたあたしは
体中が痛くて動けない。



