「あたし達にはもう必要ないと思うの。
何度も読んだし。
もし良かったら愛莉ちゃんに
持っててもらいたいんだけど…」
「そんな!あたしなんかに…」
「まだ子供だった丈にとってあなたは
心から愛した女性よ?
だからあなたに持っててもらいたいの」
「…でも」
「それに…」
そう言って光輝の方を見るおばさん。
「え…」
「あなた愛莉ちゃんの彼氏さんでしょ?」
「はい…でもなんで…」
「どことなく丈に似てるし…
丈と同じものを感じる。
それに、愛莉ちゃんの元カレのお墓参りで
誰よりも長く、真剣に手を合わせてた。
きっと、いい人よ」
「おばさん…」
「きっと丈も認めてると思うし。
でも、丈のことは忘れてほしくないから
これを…」
目の前に差し出された丈の日記を
ゆっくり受け取った。
「ありがとう、愛莉ちゃん」
「…はい」
あたしは日記を抱きしめその場に
しゃがみこんで泣いた。
「…雪、俺喫茶店にいるから」



