「俺…本気だから」
「…何がです」
「俺本気で愛莉ちゃんに惚れたみたい」
「迷惑です」
「正直な話実花は親どうしが決めた
カップルなんだよ」
「冗談はいいです」
「冗談じゃねぇよ?
俺も実花もチャラいけど…
家は結構まともでさ?
生まれた時から決められてて破れない。
だから俺はいっつも実花から逃げてた。
そんで他の女と遊んでたけど、
そのたんびに実花がその女をいじめて…。
でも、俺も助けようとはしなかった」
「何でですか…」
「どうでもよかったから?」
真顔で答えた先輩。
「正直、実花のいじめは半端なかった。
けど…それでもその女がかわいそうだと
思ったこと無かった。けど…」
「けど…?」
「愛莉ちゃんは違う」
「…」
「美人だから目をつけたけど…
あの福井丈にも惑わされないで誰にも
染まらず、自分だけの色で生きてる
愛莉ちゃんに惚れてた」
「色…」



