「でも、無理やりキスでもされたら?」
え…。
「もしそれを須川が見てたらどうなる?
お前が何を言ったってそんな場面を
見たら…もし、お前にそんな気が
少しもなくてキスしたとしても
ああいうタイプの女はすぐに
怒りにかわるんだぞっ!」
「…そんなの…あるわけないっ!
先輩はすごく優しいもん!
あたしだって…相田先輩に気をつければ
いいことじゃん!」
「お前は女だ!」
びくっ
丈のあまりに大きな声にびっくりした。
「どんなにお前が強くてもしょせん
女の力はけして男にかなうもんじゃない。
無理やりさられたらそれで終わりだぞ!」
そんなこと…。
「あんたが…あんたが知ったようなこと
言わないでよ!」
あたしはそのまま丈の腕を振り切って
走った。
後ろから丈の声が聞こえるけど
そんなの聞こえない。
もし、相田先輩になんかされても
きっと実花先輩は分かってくれる。
絶対大丈夫…。
「よしっ…落ち着いた」
先輩との待ち合わせまで少し
時間があるなぁ~…。



