「あいつに初めて会ったとき、
男の俺も見とれるくらい
かっこいい人だなって思って。
そんなあいつに駆け寄る山村。
あいつのそばにいる山村は
いつも可愛くて…いい笑顔で。
でも…俺といるときは
山村はすっごく淋しそうなんだ」
「あの…高嶋」
「あいつは大人だしかっこいいから
恋だって慣れてるし女の扱いだって
慣れてるって思うと…あせるんだよ」
「…光輝は…慣れてないと思うよ」
「え?」
「光輝はかっこいいけど…
あの年になっても付き合った人は
たったの1人だし…」
たった1人。
すごく愛した人。
かっこよくて優しくて。
いかにもモテそうな光輝の初めての彼女。
「いくら大人になったって
慣れる人なんていないと思う」
そんなの逃げてるだけだし…。
そんな人…あたしは好きじゃない。
「好きな人に余裕なんて無い。
それって当たり前だって思う。
それに…好きな人に余裕な人なんて
本気でその人のこと愛せないと思う」
あたしは高嶋の目を見ながら言った。
「…山村…俺」



