Seven...YUKI



あたしも友達と駆け寄る。



玄関からグラウンドを通って門まで
先生と向かってる丈。



女子達の声で振り向いて笑顔で
手を振っている。



よく見ると校舎のいたるところから
女子生徒が身を乗り出して
丈の名前を叫んでる。



あいつ…こんなに人気あるんだ。



友達は手を振ってるけどあたしは
もちろん振る気にはなれない。



だからただ呆然と見てただけなのに
一瞬あたしの方をみた気がした。



だって…今まではずっと笑顔で
手を振り続けてるのにいきなり
立ち止まってすっごく怖い顔
するんだもん…。



いらつくなぁ~…。



そしてあたしから目を離して
また他の生徒に手を振り続ける。



「はぁ~…行っちゃった。
正直福井先輩って怖いけど
1度でいいから抱かれた~い」



教室の中から中1とは思えない
声が発せられてる。



おかしいよみんな。



なんで好きでもない奴に抱かれたいの?



あっ…そっか。



みんなは丈のこと好きなんだ。



あたしが興味無いだけでみんな丈に
惚れてるんだね。