「あなたは松田さまの娘なのですよ!
家に帰りますよ」
「娘!?ふざけないでよ!
娘にあんなことする父親が
どこにいるのよっ!!」
「愛莉。あんまり私を怒らせるな」
何にやにやしてんのよ…。
あたしはあんな家なんて
もう2度と帰らない!
「離してっ!!」
「雪!」
この声…。
声のする方を見ると光輝が
こっちに走ってきてる。
「…光輝!」
来てくれた…あたしのために。
あたしを引っ張った光輝は
そのまま体勢を崩した。
その反動であたしも光輝も
道路に倒れこんでしまった。
「ってぇ…」
「なんだお前!?」
松田が光輝に向って怒鳴ってる。
「おい兄さん。
関係ない奴はどっか行ってくれんか?」
「雪に手を出すな…」



