Seven...YUKI



そんな…驚いた目しないでよ。



あたしは泣きそうなのをこらえて
光輝をにらんだ。



「…雪?」



呼ばないで…。



あたしはそのまま部屋を飛び出した。



長い廊下を走って、途中ヨネさんに
呼ばれたのも無視して玄関を出た。



長い庭も通って門を出た。



ボディーガードさんに名前を呼ばれたけど
そんなの知らない。



…呼ばないでよ…呼ばないで。



間違えないでよ。



あたしの名前は雪だよ?



光輝が決めたんじゃん!



あの日…雪の降ってた日に
光輝がつけてくれたんだよ?



なんで…なんで間違えるの?



今でも瞳さんを…。



嫌だよ…痛い。



苦しい。



胸が苦しいよ…。










橘家を出たのはいいけど
どこにも行くあてのないあたしは
そのままふらふら歩いてた。