家族…。
「ほら、呼んでみてごらん?ほらほら」
呼んでいた新聞をたたんで
あたしにそう言う社長さん。
「…おじさん…おばさん」
「言えるじゃない!今度からは
気軽にそう呼んでね」
「はい…分かりました」
あたしは笑顔でそう言いながら
席についた。
「あら雪お嬢さん。おはようございます。
昨日はよく眠れました?」
「あ、おはようございます。
はい。よく眠れました」
ヨネさんと会話をしているうちに
あたしの目の前に用意された食事。
「雪ちゃん、今日はどうするの?」
コーヒーを飲みながら
そう聞いてきた香奈さん。
「えっと…特に決めてないですけど」
「まぁ、外には出られないし…。
家の中で大人しくしてるのが
一番いいんじゃないのか?
今は冬休みだろうし学校も無いしね」
そう言って一気にコーヒーを
飲み干して立ち上がったお兄さん。
「じゃあ行ってきます。
雪ちゃん、出来るだけ早く
松田のこと解決するから。安心して」



