「…ひどい」
橘香奈が言った。
「まだ中学生の女の子にそんなことを
するなんて。なんて男…」
「ほんとに可愛そう…
つらかったでしょうね」
奥さんもそう言いながらあたしをなでた。
…お母さんって…こんな感じなんだ。
「あと…雪が松田に襲われた
ことなんですけど。
実は雪、待つだの秘密を知ったから
襲われたらしいんです。口封じのために」
「口封じ?秘密って…何を見つけたの?」
そう言いながら奥さんがあたしを見つめた。
「…欠陥住宅を売ってる…
裏事業の資料とか…その…」
「…雪ちゃん。その松田って、
松田不動産会社の社長の松田?」
そう言ってきた橘香奈のお兄さん。
「あっ…はい。そうですけど」
あたしがそう言うとため息をつきながら、
「はぁ…まさかこんなに小さい子を
巻き込んでたなんて…」
「…どういう意味ですか?」
光輝がそう聞くと、
「あの男は…俺達警察が
今追ってる男なんだ」



