驚いてるあたしに笑顔で
バイクの後ろを叩いた。
「はやく乗れよ」
「…」
「雪?」
「…でもこれは知らないでしょ」
「え?」
「あたしが松田になんで襲われたのか」
「松田?」
名前までは聞いてなかったんだ。
あたしはバイクの後ろに座って、
園長先生には言ってないことを
光輝に話した。
「あたしを引き取った男の名前。
松田不動産会社の社長で
松田也須(まつだやす)。
あたしをひきとったころは
すごく優しかった男。
望むものは何でも買ってくれたし
どんな相談にだってのってくれた。
あたし…本当のお父さんみたいに
したってた…。
けど、1ヶ月ごろ前から
様子がおかしくなったの。
ひきとられた時に、大きな家の中で
1つだけ絶対に入るなって言われた
部屋があってね?
学校に帰るなり今までは
入れてくれなかったその部屋に
無理やり入らされたの。



