その生徒は中性的な顔立ちで一瞬性別がわからなかったが、制服で男なのだと分かった。

「では斎賀さんと――さんでよろしいでしょうか」

他に手を挙げている生徒もおらず、その2人に決定した。

「では拍手を」

その声でみんなが拍手をしだす。本当ロボットみたいな奴等だよな。
そう思いながらも俺も拍手をする。もちろんそれは、俺の〃ヒーロー〃への拍手だ。
何故か、男子の方の名前は聞き取れなかった――いや、聞き流していたのかもしれない。どちらにせよ、名前はわからなかった。


そのあと、続々と委員が決まっていき、ついに図書委員を決める番に。

1、2、3...4
図書委員になりたい生徒は男女合わせて4人居た。俺を含めたら計五人だ。そのうち図書委員になれるのが男子が二人、女子が一人だ。幸い女子は俺ともうひとりだけだった。確率は二分の一......いざ尋常に勝負。

「さーいしょーはグー!!」

「じゃーんけーんぽん!!」

運命の瞬間――。
恐る恐る目を開いた先にあったのは、自分のチョキと、相手のパー。
勝ちを実感した瞬間、小さくガッツポーズをした。俺の勝ちだァァァ、俺の勝ちだァァァァァ!!!!!