そのあとは、簡単に二言、三言話して席へ戻った。
そうしているうちに休み時間は過ぎていき、次の時間へ。

「入学したばかりですが、委員会決めをします」

もう決めるのか。早いな。
俺は楽だと言われいた図書委員に入ろうと決めているが......どうだか。
そんなことを考えているうちに、担任が整った綺麗な字で黒板に委員会の名前をすらすらと書き連ねていく。
全て書き終わったところで、パンパンと手をはたいた。

「まずは学級委員から。立候補してくれる人はいますか?男女各1名ずつお願いします」

絶対やりたくないね。
そんな声が聞こえてきそうな空気の中、すっと手を挙げたのは、束だった。さすがだな。幼い頃から、束は偉くて、なんでもできて、分け隔てなく接していて......俺にとっての小さなヒーローだった。

じゃあ男子は――と思って周りを見回すと、手を挙げた1人の生徒が目に入った。