なるほどね。
そういうことなら、さっさと言ってくれたら良かったのに。まあ、話したいと言われて悪い気はしないが。

「そうなんだ」

また素っ気ない態度をとってしまった......なんでなんだろう。
その返答のせいでなのか、上手く話を繋げることが出来ず、その子は目の前でもじもじしている。俺も気まずくて話しかけづらい。
その空気が嫌で、俺から破った。

「その......名前、教えてくれないかな」

そう言うと、パァァァっと、わかりやすく顔が明るくなった。表情がコロコロ変わるから見ていて飽きないな。

「小笠......小笠 瑠佳です!」

「小笠さんね。よろしく」

「よろしく、お願いします」

たどたどしいけど、何とか会話を繋げられた。