―4月20日、葉羽音中学校入学式。

つまんな。

俺―飯岡 碧は、在り来りでどこにでもあるような挨拶をしている新入生代表の幼なじみの話を聞きながら、込み上げてきた欠伸を噛み殺した。

「――4月20日、新入生代表、細川 雪斗」

やっと終わった。何度寝落ちしかけたことか......内容なんて微塵も覚えてないが、拍手をしておく。内容に手を叩いた訳では無い。こんなにも面倒な役をやってくれたことへ拍手を送ったのだ。

代表を務めあげ、やりきったとでも言わんばかりの達成感に溢れた顔をしながら、幼なじみクンは自分の席へと戻って行った。

そういえば、幼なじみクンは4組だったっけ。
これから面倒事を押し付けることが出来なくなるなぁ......

そんなこと考えながら、私たち新入生は席を立ち、体育館から退場した。