「係決めか......」

先程束と話した言葉を反芻する。
俺が見たところ、楽そうなのは英語係だな。何故なら担任が英語担当だからだ。

「今から、自分のやりたい係の所にネームマグネットを貼ってください」

はーい、と間の抜けた返事を返す生徒たち。勿論俺もその一人だが。
俺は一番最初に席を立ち、これでもかというくらい黒板に素早くネームマグネットを貼った。場所は勿論英語係だ。

ふと遠くを見ると、束が一人でツボっていた。きっと俺の動きを見て笑ったんだろうな、うん。
他の生徒もぞろぞろと前へ出て、マグネットを貼っていく。

「はい、ではみなさん貼りましたね」

担任が確認するように言うと、みんなはこくこくと頷いた。
だいたい均等になったな、英語係も丁度二人で――って、あれ?あの人、見覚えがあるぞ。
あの中性的な容姿、俺とほぼ変わらない身長――間違いない、あれは学級委員の男子の方だ!!

「なんか......やだ」

ぼそりと、私はそう呟く。