roadside stone love

体を揺すられて、目を開けた。

「着いたよ、碧」

「あー、うん」

俺はまだ寝ぼけていて、ふらふらしながら席から立つと、ゆかが「大丈夫?」と言いながら支えてくれた。

「大丈夫」

俺がそう返答すると「そっか」というゆかのつぶやきが聞こえた。

「「ありがとうございました」」

運転手さんに感謝を述べ、バスから降りる。
だいぶ眠気が覚めてきて、1人で歩けるようになるのがわかるとゆかが支える手を離した。
本当に俺の事ちゃんと見てくれてるよな、ゆか。


昇降口でゆかが「じゃあね」と言ってきた。そういえばゆかは3組だったな。なんで仲のいい人と別れる羽目になったのか......
そう心の中で愚痴りながらも「うん」と返した。