わたしは、彼の耳元に顔を近づけた。 「好き」 「素直に言うこと、ちゃんとできるじゃんか」 そう言って、ご褒美だと言わんばかりの顔ををしながら、わたしの唇に自分の唇をくっつけてくれる彼。 和馬がずるいから、普段なかなか素直になれないんだよ。 なんてことを思ってしまったわたしは、まだまだ素直で可愛い女の子じゃないな。 わたしは、まだまだ美穂のようにはなれないけれど、 絶対に彼のことを好きという気持ちは負けない。