気がついたら、家の天井が目に入った。
驚いて上半身を勢いよく起こすと、台所にはクロが立っていた。

｢あ、起きた？今日お仕事ない日なのに、早起きだねー。｣

こいつは私の彼氏か。何勝手にハムエッグ作ってんだ。美味しそうだろうが。
というよりも、死神の作るご飯ってそのまま召されたりしないのだろうか。
時計を見てみると、確かに早起きだ。まだ6時半、二度寝するには丁度良いが朝ご飯が用意してあるのでそのまま食べる事にした。

｢安心してね。召される事はないから。｣

と微笑むクロ。
なぜ考えている事が分かるのか、と不思議に思ったがまぁ死神なら有り得るかと納得していた。

頭が冴え始め、ふと我に返る。

｢そういえば、なんでクロ家にいるの？というか、現実？｣

クロは少し嬉しそうな顔をして

｢うん。間違いなく現実だよ。ここは君の家だし、今君が口をつけてるコーヒーも、そこにあったものだよ。なんで居るのかって言われちゃうとなぁ...｣

と口篭るクロ。少し迷ってから

｢昨日の彩を見ちゃったら、なんだかほっとけなかったんだ。だから、


僕が貴方を守らないとって思ったんだ。｣



いや、お前自分の仕事しろよ。