「覚えていません...」




「そっか。じゃあ、嫌いなものはある?」





嫌いなものならたくさんある。



地下室、


蝋、

でもそれをいうわけにはいかず、言葉を濁らせた。



「ない..です。」




「はあっ..は...ふ..う」



息ができない。