光は虐待を受けていたこと、いじめられていたこと、友達がいないことなどを全て話した。何度もつっかえ、過呼吸を起こしてしまう。それでも、尚は最後まで光の話を聞いてくれた。

「わ、私っ！私なんて、う、生まれなきゃよかったんだ！ずっと！ずっと心の中で、お、思ってる！生きていてごめんなさいって……」

泣きながら思いを吐き出した光は、強く抱き締められた。初めて人の体温を知った時のように、光の心が戸惑っていく。それでもどこか温かくて安心した。

「生まれてこなきゃよかったなんて言わないで！必要じゃない命なんてないんだよ。僕には光が必要なんだ」

尚はゆっくりと光を離す。光が泣きながら尚を見つめると、尚も涙を流していた。こんな風に泣いてくれる人は初めてで、光の胸に優しい鼓動が生まれていく。

「光の過去も肩書きもどうだっていい！光と一緒にいたい！結婚しよう」

尚にそっと頬を触れられながら、言われる。突然のプロポーズに光は驚いた。