「杏菜、こんな服似合うと思うよ！」

リオンは何着も手に取って持って来てくれるが、その多くが露出の多いもので杏菜は困ってしまう。露出する服を着ることはほとんどしたことがない。

「お気持ちは嬉しいですが、こんな格好はしたことがなくて……。恥ずかしいです……」

杏菜がそう言うと、「そっかぁ。似合うと思うのになぁ〜」と言いながらリオンは服を戻していく。そしてシックなデザインのワンピースを選んでくれた。杏菜はそれに着替え、リオンもストリート系の服に着替えを済ませる。

「とってもお似合いです！」

杏菜がそう言うと、リオンは頬を赤くして「ありがとう！杏菜も素敵だよ」と言って杏菜の手を取り歩き始める。

「〜〜〜？」

店を出る直前、店員さんがニコニコしながら話しかけてくる。しかし、英語が苦手な杏菜は首を傾げることしかできない。

「〜〜〜！」

困っているとリオンが答えてくれた。その顔はとても嬉しそうだ。そのまま店員さんに見送られ、杏菜は「何と仰っていたのですか？」と訊ねる。