それからわたしは
毎回のように、
屋上に足を運ぶようになった。

今まではひとりになりたいなと思った時
やなんとなく辛いと感じた時に
屋上に行っていたけど、

今はあの、
ビー玉の青年に。
レイに会うために 行くように なった。

そして今日も。

レイは屋上の扉の上に腰掛けている。


「……レイさん!」

上を覗き込みながら声を掛ける。

「お、ミウか。つか、レイでいいって。」

「……あ、あはは。いや〜……一応先輩では……あるし。人の名前、呼び捨てで呼ぶの苦手で 。」

「まぁ、どっちでもいいけどな。呼びやすい方で呼んでくれたらいいよ。今日もひとり?」