ビー玉の初恋。

今日も いつものように 屋上に行く 。

屋上の扉を開けると、

スーッと 涼しい風が 吹いた 。


「……気持ちいい。」

フェンスの傍にあるベンチの端に座るのが
わたしのお決まり。

ひとりでこうして
お弁当を 食べるのは好きだけど、

今日はなんだか気持ちが沈んでる。

特に意味は無いようだけど、
ツーっと 涙が 零れた。

「なんで泣いてんの?」

遠くから 声が 聞こえた 。

「……え?」

わたしはビックリして、咄嗟に涙を拭いた。


「お前、よくここ来るよな。」

顔を上げると、

そこには わたしと同じ制服を着た青年が
こっちを見ながら 扉の上の辺りに座っていた。