──はずだった。
ところがだ。これはどういうことなのか?
なぜ自分がジェラールの膝に乗せられて餌付けされているのか、意味がわからない。
つい一時間ほど前、ミレイナは真綿に包まれたような心地よさを感じて意識を取り戻した。目を開けると、目の前に広がるのは黒毛の混じった銀色の毛並み。
(え!?)
気付いたら、本当に真綿ならぬもふもふに包まれていた。
しかも、相手はシベリアンハスキーのような見た目でありながら体長二メートルはありそうな生き物──恐らく魔獣だ。
安心しきっているようで、スースーと規則正しい寝息を立てている。
(もしかして、三度目の人生は魔獣として?)
そう思ったのも束の間、ミレイナは足に鋭い痛みを感じた。
視線を向ければ、自分には馴染みのある黄金色の毛並みに真っ白な包帯が巻かれている。



