着ている上下濃紺の服の襟元や袖口、合わせ部分には遠目に見ても豪華な刺繍が入っており、上質であることがわかる。

「ひえっ!」

 リンダが小さな悲鳴を上げて腰を抜かしたようにへたり込む。
 王宮に勤めていても、竜王に間近で会うなど、そうそうあることではないのだ。